交通事故鑑定・解析・調査

鑑定内容

 

この突然の事件に巻き込まれ、お亡くなりになられた方々、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

本事件にて加療中の方々、早期でのご回復を心よりお祈り申し上げます。

 秋葉原で通り魔

 7人死亡=トラックではね、ナイフで襲う-25歳男逮捕・警視庁

 

8日午後0時半ごろ、東京都千代田区外神田のJR秋葉原駅近くの路上で、トラックが人をはね、降りてきた男がナイフで次々と通行人らを刺した。
 警視庁万世橋署員が駆け付け、殺人未遂の現行犯で男を逮捕した。19~74歳の男性6人と女性(21)が死亡し、10人が重軽傷を負った。
 逮捕されたのは、青森市出身で静岡県裾野市富沢に住む職業不詳加藤智大容疑者(25)。
 警視庁捜査1課は同署に捜査本部を設置してサバイバルナイフなど刃物2本を押収した。殺人容疑でも調べる。
 同容疑者は「人を殺すために秋葉原に来た。世の中が嫌になった。誰でもよかった」と供述している。
 逮捕容疑によると、同容疑者は同零時半ごろ、ナイフで20代の女性の背中を刺して、殺害しようとした。
20~50代の男性5人と20~30代の女性2人が重傷で、男性3人が軽傷を負った。

【6月9日10時30分配信 時事通信】

秋葉原で通り魔事件=車両を検証する。

[車両の破損状況を検証する]

 

(血痕などのスペクトルが検出されていない)

(側頭部から後頭部にかけて衝突したものと考察される)

 

 

[車両損傷と人体図とを照らし合わせる]

 フロントガラスの破損から 側頭部から後頭部にて損傷したものと推認される
 フロントボンネットの損傷から 上肢及び胸部から背中部にかけて損傷したもの推認される
 ヘッドライトの損傷から 腰部から大腿部にて損傷したもの推認される

 

[車両損傷の状態から事故態様を合理的に勘案する]

 ↓

 明らかに、逃げまどう人間を、後方から轢いた事実による損傷と思科される。

 

秋葉原で通り魔事件=車両軌跡を検証する。

[車両運動を科学する]

一部の報道でジクザグ運転で交差点を通行したとされていますが

物理学的/工学的見地から判断するとジクザグ走行は不可能と測されます。

 

本件交差点は、一見すると十字路に見えますが、被疑者車両走行路線において、

道路法線(中心線)がすれ違いに交差する変則的な交差点であることがわかります。

この交差点を通過するためには、通常走行でも、S字曲線を描かなければなりません。

 

 

[路上に残された血痕位置の考察]

本件現場の報道写真から、血痕などの痕跡を配置したものです。

[車両運動と血痕位置を考察する]

 前記交差点を通過するために必要な軌跡を配置した場合、同図のようになります。

 

ここで、S字曲線のうち、第1曲線の旋回半径よりも

第2曲線の旋回半径が大きいことに着目しました。

 

そもそも、車両が旋回する半径は速度に比例します。

旋回半径が大きいことは、同じように転把したとしても、より速度が大きいことを意味します。

 

これらの事象から、交差点通過中に、

被疑者車両は速度を上げた可能性が指摘できます。

 

(急にアクセルを踏み込んでも、急激な加速度は得られません)

(交差点直前にアクセルを踏み込み、そのまま交差点に進入した、と考察出来ます)

(つまり、交差点直前、ヒトの存在を確認、目標とし、アクセルを踏み込んだ)

(仮に、時速40kmの速度で交差点進入した場合、たった1秒間に11m進むことになります)

(このような状態で車両に進入された場合、歩行者は逃げようが有りません)

(気がつくと同時に、鉄の固まりに、跳ね飛ばされます)

(危険を感じると同時に、ものすごい恐怖だったと思います)

 

(ひさびさの晴れた日曜日の昼頃・・思い出に残る日曜日になったかもしれないのに)

 

(あまりにも、残虐、非道な行為です)

 

・・・ ヒトを目標とし、故意にアクセルを踏み込んだ、凶悪な犯行 ・・・

 

検証を重ねるほど、用意周到に準備され、車両とナイフを凶器とし

平常心で凶行におよんだと考察される事実ばかりが浮上してきます。

 

 

 

この突然の事件に巻き込まれ、お亡くなりになられた方々、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

本事件にて加療中の方々、早期でのご回復を心よりお祈り申し上げます。