鑑定内容 |
【ニュースコラム】
福岡3児死亡事故 ガードレールの強度、車衝突には不足
福岡市東区奈多の「海の中道大橋」で25日夜、追突されたRV車が海に落ち、幼児3人が死亡した事故で、車が転落した際に突き破ったガードレールは歩行者や自転車用で、車の衝突を受け止めるのに必要な強度が足りなかったことが分かった。 |
【朝日新聞 2006年8月27日 10時53分】
今回の事故車両の写真を観察しますと、
被害車両の右後端部に、加害車両の左前部が衝突しています。
車両は走行中、左右何れかの後端部に力すなわち外力が加わりますと、
いとも簡単にバランスを崩し運転者には制御不能の状態となってしまいます。
アメリカの警察ではこの物理現象を利用して
高速走行する車両を強制的に停車させる事も行っています。
参考動画では運転者の技量で車体を立て直していますが、
一般の運転者にはほぼ不可能です。
本件では被害車両は制御不能の状況で欄干を突き破ったものと認められます。
今回のケースは、予測が困難な事象が、
飲酒・スピード超過・違法な追い越し・これら犯罪によって誘発されました。
事件報道を見ておりますと、
ガードレールの強度が不足していた事が、
子供達の命を奪ったかのような論調が目立ちました。
もし、衝突した欄干が、車両の転落を考慮されたものであったのなら・・・・
制御を失った被害者車両は狭い橋梁上で他車両を巻き込んで子供達の命だけでは飽きたらず、
更に多くの人命を奪っていたかも知れません。
皮肉な事ですが、結果として、
この欄干は加害者車両搭乗者の命のみは守った・・と・・言えます。
(2006/08/30石橋)