鑑定内容 |
【血痕からの個人識別】
血痕検査の最終目的は、血痕の個人識別です。
人血と認められた血痕から、その血痕が誰の血痕なのか
それを鑑別するために行うのが
性別判定 → 血液型判定 → DNA型判定
です。
【性別検査】
ヒトのDNAには、性別に係わる「X」および「Y」という染色体があり、
女性は「X、X」、男性は「X、Y」です。
この染色体を検査すれば、性別の判定が可能です。
検査は、リアルタイムPCRシステムと
ヒト・トータル・プラーマーとY染色体プライマーを用いた検査を行います。
現在、用いられている検査の検出限界量は、わずか6 pg/µL
ヒトの一つの細胞は3 pgですから2つの細胞採取で判定が可能になります。
例えば、紙類に付着した血痕中の量は500µg/cm 細胞約8万個
つまり、劣化血痕など微細な試料からも測定する事が可能になります。
リアルタイムPCRの試験結果
右が検体、ヒト及びY染色体ともに増幅しているので男性の斑痕と推定された。
【血液型検査】
新鮮な血液など、あまり溶血していない血液は、
通常通り、血球を生理食塩水で洗浄後凝集反応で検査します。
一部が凝固している血液や血餅は、
濾過処理を行い、残存する赤血球を探査・回収し凝集検査を行います。
血痕からの血液型試験は解離試験、混合凝集反応(MCAR)を行います。
最新の血液型判定法はジェノタイピング法によるABO式血液型の判定です。
第9番染色体上のABO遺伝子座にあるSNPsを解析する方法です。
現場に残された汚染・劣化などにさらされた血痕
これらの試料に含まれるゲノムDNAが極めて少ない場合や劣化している場合でも
信頼性の高い結果を迅速かつ正確に検査することが出来ます。
ABI - SNaPshot Multiplex Kit でのSNPs解析
血痕からAA型を判定した解析画面
【DNA型検査】
現在のSTR法を用いたDNA型検査では、
20年以上経過した血痕斑痕からでもDNA検出可能となっています。
もちろん、血痕の状況や保管状態によっての影響はあります。
尚、DNA型鑑定の詳細は
→ DNA鑑定 ←
をご参照下さい。
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